相手に何でも合わせてしまう心理

こんにちは。
日本アドラー心理学振興会代表の田山です。

カウンセリングをしていますと、「相手に何でも合わせてしまう。都合のいい人になってしまいツラい」とご相談にいらっしゃる方も少なくありません。

断ることもできず、いつも相手に振り回されてしまい疲れてしまう。あなたはそういうお悩みありませんか?

カウンセラーや心理療法士によっては、このようなコミュニケーションを過度に繰り返してしまい悩んでいる人を「アダルトチルドレン」と認識する方もいれば、「愛着障害」であると見立てる治療者もいるかもしれません。

私個人としてはあまり複雑に考えていなくて、シンプルに考えています。アドラー心理学の特徴ですね。

ひとまずお話をうかがっていきますと、多くの方がおっしゃることに共通することがありまして、「嫌われたくない」「見放されたくない」「気に入られたい」という目的があるということ。

相手に嫌われないために合わせる、見放されないために合わせる、気に入られるために合わせる。

目的を叶えるための手段として「相手に合わせる」ということをしていることが見えてきます。

私もまさにそうでした。私は「優等生でいなきゃ」「良い人でいなきゃ」ということをかなり強迫的に自分に対して思っていた時期があって、相手から何か頼まれても断れなかったり、相手が言ってくることにすべて「はい」と言って従っていたり。

いつの間にか相手に支配されているような気分になって、しんどくなった時期がありました。

ではどうしてそのような目的を持ち、「人に合わせる」という手段を選んだのでしょうか。理由は人それぞれ違います。

ある人にとっては10歳くらいまでの育った環境、対人関係のコミュニケーションの中で、「人に合わせる」という手段が小さいころの自分が生き残る上で最善の手段だったのかもしれません。

こういった考え方をアドラー心理学では「ライフスタイル」といいます。

そこまでの経験から必死に習得した生き残るための手段は、やがて成長するにしたがってだんだんと無意識化されていきます。

それはそうですね。

人間の行うすべての行動を意識しながら実行していたら、考えることが多すぎてとてもじゃないけど生活できません。人間の体は合理的に動けるよう適応していくのです。

そうして無意識に追いやられた自分の行動パターンは、知らず知らずのうちに色んな対人関係の中で繰り返されていきます。それがうまくいけばいいのですが、うまくいかないことが続いた時、問題が起きてきます。

自分の中では「人に合わせる」というコミュニケーションが正しい方法なのになぜかうまくいかない。

人によっては他の方法を知らない、もしくは「すべきではない」とか「自分にはできない」と思って別の方法を試さなかったりしながら、ひたすら同じ「人に合わせる」という手段を繰り返し使っていき、でもやはり対人関係がうまくいかず、勇気がくじけていってしまったりするのです。

それがこじれにこじれてしまうと、今度は人と接する際に不安感や恐怖感を覚えて不安障害につながったり、人と会う機会が近づいてくると過呼吸や動悸など起きるパニック障害などにつながっていく方もいます。

私はちなみに動悸に悩まされたことがありました。

症状が出るまでになると、私たちはつい「症状」に目がいってしまい、そこが問題だと感じてしまいやすいです。

しかし、症状は問題ではないんです。

問題は対人関係におけるコミュニケーションです。そこに対して勇気がくじけてしまっていたり、もっとうまくいく方法が体に馴染んでいなかったりすることが本当の問題だったりします。

カウンセリングでは、まず自分が「人に合わせないといけない」と信じている理由を一緒に探り、その信じていたものが自分のフィクションであることを理解していくプロセスを通ることが大切です。

そして、今度は実際にコミュニケーションの中で実践していく。

実践して2~3回ほど成功体験があれば、人は単純なもので、自分の作り上げたフィクションが書き換わっていくものです。

そうすることで次第に「人に合わせる」という行動パターンに縛られなくなったり、振り回されなくなったりします。

症状が出るまでになっていた人は、その症状もだんだんと消えていくことを体験する人もいます。

私もアドラー心理学を通して、断れるようになったり、自分の時間を過ごせるようになったり、動悸も今では全く起きなくなりました。

もしあなたが「人に合わせてしまう」ということで悩まれているのであれば、希望を持ってください。そこから抜け出すことはできます。

抜け出せたとき、どれほど人生が自由で楽しく、息が吸いやすいことか実感できることと思います。

あなたの幸せな人生を応援していますよ!

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