こんにちは。
日本アドラー心理学振興会代表の田山です。
夏休みも終わってしばらく経ち、子どもたちはまた元の学校生活に戻りつつある頃だと思います。そうなると増えてくるご相談は、学校への不登校や行き渋りのご相談です。
先日、こんなご相談がありました。
「中学生になる娘が学校に行くことをとても嫌がります。行くと腹痛、吐き気などが出るようで、診ていただきたいです」(一部抜粋・改変あり)
実は先にお伝えしておきますと、今回のケースはカウンセリングにはつながりませんでした。
しかし、同じようなケースは少なくないだろうと思い、「ブログのテーマとして取り上げさせていただいてもいいですか」とお伺いしたところ、快く承諾してくださいましたのでご紹介しております。
今回、ご依頼された方は「診ていただきたい」とご連絡いただいておりましたので、私は「お話を伺うことはできますが、当方は心療内科ではないので病名の診断、お薬の処方はできませんがよろしいですか」とお返事をさせていただきました。「それでも一度お話を」とのことで面談をすることになりました。
カウンセリング前の面談日を迎えます。
ご相談者さんの希望としては症状をもとに病名を診断し、薬を処方してもらって、娘さんにまた元気に学校へ行ってもらいたいというものでした。
改善の流れや根本原因のお話しさせていただいた上で、カウンセリングでは診断も薬の処方もできないということで今回は当オフィスを後にされました。
悔しいというか、心配というか、少し私の中にはモヤっとした気持ちが残りました。
というのも、今回の学校への行き渋りに伴う身体症状は、薬で症状を抑えたところで、根本的な問題は何も解決しないからです。
不登校や学校への行き渋りというのは、問題は症状ではなく「対人関係」なのです。
対人関係で当事者が劣等感を感じるようなことがあり、その問題を避けるために身体が症状を作り出して身を守っているというのが本来のメカニズムなのです。
症状は原因ではないのです。身を守る手段にすぎません。
確かに、薬である程度の症状は抑えることができます。
しかし、仮に症状が出なくなっても、対人関係やコミュニケーションに根本の問題があれば、また別の症状となって現れたり、もしくは仮病を使って行き渋るようになります。
今回のように、症状を伴う学校への行き渋りなどでお悩みの方は、
- 身体症状は心療内科で検査と薬の処方をしてもらう
- 並行してカウンセリングを受けコミュニケーションの訓練や自己点検をしていく
というのが理想の在り方です。
まだまだ「病院でお薬を飲めばすべて解決」というイメージは世間でも根強くあるようで、これはメンタルの問題を扱う者として、私も少しずつそのイメージを払拭していきたいなと思います。
あなたはお子さんの不登校や行き渋りでお悩みではありませんか?
身体症状を伴うようなら、心療内科だけではなくカウンセリングもあわせてご検討くださいね。問題の根本原因は「対人関係」です!
コメント