アドラー心理学の「貢献する」とは?

こんにちは。
日本アドラー心理学振興会代表の田山夢人です。

アドラー心理学では「幸福の鍵は他者への貢献である」と考えています。

私たちが生きているこの世界は、必ず誰かの支えがあって成り立っています。どんなに1人の力で生きていると思っても、必ず誰かの貢献によって生かされているし、また自分も誰かに貢献をしながら生きています。

それを意識できているかできていないかは別としましてね。

ではまず、なぜ貢献が幸福の鍵となるのか。

それはたとえば、自分が誰かに貢献して「ああ、私は人の役に立てたな」と思えると、「私には価値がある」と思えます。

そして自分がした行動で、実際に他者が喜んでくれたなら、きっと他者は「ありがとう」とか「嬉しい」とか「助かったわ」と言ってくれるかもしれない。

そこから巡って、今度は相手から自分に「お願いしてもいい?」と、何かを頼んでくるかもしれない。

すると自分は「ああ、人々は仲間だな」と思えてくるかもしれません。

自分には力があって、人々は仲間だなと思えると、この世界に自分の居場所ができます。

アドラー心理学の言葉でいうと「所属ができる」という状態ですね。

所属ができて、自分という存在や力が他者にとっても必要なもので、自分はみんなの仲間なんだなと思えると、人は幸せを感じることができるのです。

そこに理由をさらにつけるなら、人類は大昔に集団や社会を作って生き残る選択をした種族だから。DNAに刻み込まれているのかもしれません。

「貢献が大切というのはわかった。でも実際、貢献というとイメージがつかない」

よく勉強会や講座でも聞く疑問が聞こえてきそうです。

実践編ということで、少し貢献についてお話ししていこうと思います。

そんな大それたことを考えなくてOKです。

ちょうど今朝の話があります。

私には妻がおりまして、私とは正反対の元気で活発で、明るく笑い上戸のテンション高めの素敵な女性です。はい、夫婦でアドラー心理学をやっております。

朝、妻が私に突然こう言いました。

「散歩行ってくる」

元気ですね。私は「もうちょっと寝るね」と伝えました。妻が帰ってくると「キジがいたの!」とワクワクした感じで教えてくれる妻。

そのとき撮影した動画を見せてくれて、見事にキジの姿をとらえていました。

妻がキジを発見したときに、ちょうど年配の女性2人が通りかかったらしく、「ねぇ、キジがいるよ!」と通りがかりの女性2人に教えてあげたんですって。

そのタイミングでは肉眼でとらえることはできなかったみたいなのですが、撮影した動画を女性お二人に見せてあげたそうです。

「あら、本当ね!いつも鳴き声は聞こえるんだけどね〜」

そう笑っておっしゃっていたそうでした。

これって貢献だと思うんですよ。

妻が他人にキジを見た感動を共有してくれた。年配の女性2人も笑顔になり、私も家で教えてもらって「おお!」となった。

この行動は、確かにどこかの団体に多額の寄付をしたとか、ボランティア活動で日本中回ったとか、そんな大掛かりなことじゃないかもしれません。

でも立派な貢献だと思うんです。関わった人が笑顔になった、少しポッと幸せになった。

自分の特性を活かしてできる貢献って、実はたくさんあったりします。

ささいなことでかまいません。

自分にできることで、どうやったら人を喜ばせられるかなとか、どうやったら人の役に立てるかなとか、そういったことを意識的に考えながら、ぜひ1日1回でもいいので、意識的にあなたにできる貢献をしてみてください。

その積み重ねが、自分もみんなも幸せな人生に繋がっていくと私は信じています。

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